※デフォシムに喋らせています。※
以上苦手な方は閲覧ご注意ください。
前回ラフルくんと一緒に世界中を旅行しました。
そして最後に訪れたコモレビ山にて「燈明祭り」のお知らせが。
せっかくなのでエミリーを呼んで二人で楽しむことにしました。
ラフル「エミリー。突然呼び出してごめん。」
ラフル「ちょうどコモレビ山にいたらさ、ここで燈明祭りが始まるっていうからエミリーと一緒に過ごしたいなと思って。」
エミリー「燈明祭り…うん、知ってるよ」
ラフル「そうなの?あ、そうか。エミリーはコモレビ山出身だもんな。」
エミリー「…うん…」
ラフル「…(そうだ、家族のこと…)。」
ラフル「…ごめん。軽率に呼んじゃって。やっぱ帰るか。」
エミリー「大丈夫。コモレビ山でもここから結構離れてるから。知ってる人、いないと思う。」
エミリー「それに燈明祭りはすごく綺麗なんだよ。私もラフルくんと一緒に見たかったから誘ってくれて嬉しい。ね、川の方見に行こう!」
ラフル「すごいな!こんなの初めて見た。」
エミリー「綺麗だよね。私もあまり来たことないから、こうやって改めて見ると感動しちゃうな。」
エミリー「会場の方にも行ってみようよ。私ラフルくんと一緒にやりたいことあるんだ」
ラフル「やりたいことって、これ?」
エミリー「そう。短冊にお願い事書いて、笹に飾るの。そうすると、織姫様と彦星様がその願いを叶えてくれるんだよ。」
ラフル「…おりひめ?」
エミリー「織姫様と彦星様はね恋人同士なんだけど、天の川に間を隔てられていて1年に1回しか会うことが出来ないの。二人が会うその日に笹の葉に願い事を書いた短冊を飾ると、二人がその願いを叶えてくれるっていう言い伝え。」
ラフル「・・・・・・」
ラフル「(…エミリーとずっと一緒にいられますように。)」
エミリーとラフルくんは願い事を短冊に託しました。
今書いた願い事が織姫様と彦星様に届くように、そして、二人が再会できるようにと星を眺めています。
ラフル「1年に1回しか会えないのか…でも俺達も時代が違ったらそうだったのかもしれないよな。」
エミリー「そうだよね。今はどんなに離れていても簡単に会いに行けるけど。織姫様と彦星様はそうはいかない…切ないね。」
ラフル「(織姫も彦星も会いたくて仕方ないんだろうな。でも会いに行けない…そばにいたいのに、いられない。)」
ラフル「(…俺だってずっとエミリーのそばにいたい。でも世界を旅するというのは自分で決めたことだから、そんなこと彼女には言えない。)」
ラフル「・・・・・・」
ラフル「(…けど)」
ラフル「(ヘンフォードを離れて、エミリーや町が恋しくて仕方ないのも事実…旅に出た時はこんな風になるとは思ってもみなかった。)」
ラフル「(…それに、一人で頑張っている彼女を近くで支えたい。)」
ラフル「(パン屋が開店した日も忙しくてお祝いにさえ行けなかったんだ。一番大切な人なのに、その節目に一緒にいられないなんて…)」
ラフル「(…俺は、エミリーと…)」
翌日、エミリーの自宅
エミリー「昨日はありがとう。家まで送ってくれて。今日は仕事大丈夫なの?」
ラフル「ああ、休みだから。ちょっとゆっくりしていくよ。」
エミリー「そっか。思いっきり羽根を伸ばしてね。」
ラフル「・・・・・・・・」
ラフル「エミリー。話したいことがあるんだ。」
エミリー「なに?」
ラフル「俺、いつかエミリーと結婚したい。」
エミリー「・・・・・・・・・」
ラフル「エミリーはどう思ってる?あ、別に今すぐとかそういう話じゃないから。」
ラフル「どのくらい先かは分からないけど、俺は結婚を前提にエミリーと付き合っているつもり。」
ラフル「…だから、今のエミリーの気持ちを聞いておきたくて。」
エミリー「・・・・・・・・・」
エミリー「…私もラフルくんと結婚したい。」
ラフル「!」
ラフル「エミリー…!」
エミリー「ラフルくんのこと大好きだし、出来ればこれからもずっと一緒にいたいって思ってる。」
エミリー「…けど」
エミリー「…私、結婚していいのか分からない。」
エミリー「私の家族の話はしたよね?」
エミリー「私はもう自分の家族に会うつもりはないの。ヘンフォードで生きていきたいと思ってる。」
エミリー「…でも、結婚となると私達二人だけの話じゃなくなるよね?」
エミリー「ラフルくんのお母様に、なんて説明したらいいのか分からないし分かってもらえるかも心配なんだ。」
エミリー「…それに…」
エミリー「私、自信がないんだ。家族が出来て子供が産まれて…その子にちゃんと愛情を注げるのか。」
エミリー「お母さんやお父さんみたいに、私もなっちゃうんじゃないかって。」
ラフル「・・・・・・・・・」
エミリー「…こんなこと言ってごめん。」
エミリー「でも私はラフルくんのことが一番大切だから、あなたの生涯の伴侶がこんなに問題を抱えた私でいいのかって思ってしまうの。」
ラフル「・・・・・・・・・」
ラフル「そんなのいいに決まってるだろ。」
ラフル「俺だってエミリーが一番大切なんだ。」
ラフル「だからずっとそばにいたいし、支えたい。それに母さんだって分かってくれるよ。無理にエミリーの家族に会わせろなんて絶対言わないし、俺が言わせない。」
ラフル「だから…」
エミリー「もう一つあるの。」
エミリー「私、ラフルくんの夢の邪魔をしたくないんだ。」
エミリー「ラフルくんは今ヘンフォードを旅立って世界を周っていて…一つ夢を叶えてるよね。でも、その先にもまだ見たいものがあるんじゃない?」
ラフル「エミリー…」
エミリー「まだ分からないかもしれないけど、ラフルくんならまたやりたいことが出来るはず。それを私と結婚したことで叶えられなくなるのは嫌なの。」
ラフル「…そんなの、まだ分からないじゃないか…」
エミリー「…そうだよね。推測の話ばかりしてごめん。それにきついこと言ってしまって。」
エミリー「ラフルくん。」
エミリー「私はラフルくんのこと世界で一番大好き。だから、結婚したいって言ってくれて本当に泣きそうなくらい嬉しかった。」
エミリー「…でも、ごめん…。今はまだ、分からない。」
ラフル「・・・・・・・・・」
エミリー「・・・・・・・・・」
ラフル「…分かった。」
ラフル「エミリーの気持ちはわかったよ。俺のこと考えてくれていることも、まだ将来が怖いってことも。」
ラフル「正直に話してくれてありがとう。」
ラフル「エミリーの言うことも一理あるんだ。世界中を見てまわっているけど、俺はそれでどうしたいんだって最近考えている。」
ラフル「自分が受け取るばかりで、俺自身は何がしたいのかって。」
ラフル「…でも、俺の気持ちは変わらないよ。」
ラフル「俺は一生エミリーのそばにいたいし、エミリーの家族になりたい。」
ラフル「何年でも待つ。その間ずっと気持ちは変わらない。」
エミリー「…ラフルくん」
エミリー「…ありがとう。」
なんでこんな感じの展開になったかというと…
燈明祭りの途中、ラフルくんの気まぐれに「エミリーと婚約する」が出たからなんですよね。
しかし…
二人ともお互いに結婚したいとは思っているけど、今の状況を考えるとすぐにプロポーズして結婚するという画が見えませんでした。
今の二人ならどんな会話をして、自分たちの将来についてどんな風に考えるか想像したら、こんな風になりました。
次回に続きます
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