【メロメロパカア#14】心の中で繰り返される歌

2021/03/25

メロメロパカア

t f B! P L
※今回デフォシムにかなり喋らせていますので、苦手な方は閲覧ご注意いただけますと幸いです※


前回、リリィは芸術学の学位を取得しフォックスベリー工科大学を卒業。ドキュメンタリー番組の大学での撮影が終了しました。




フォックスベリー工科大学の芸術学学位を取得したリリィは、番組の中で大手レーベルと契約することとなりました。



デビュー曲の制作、さらにはそのデビュー曲の初披露をドキュメンタリー番組の最後に行うことが決定。


順調に歌手デビューへの道を進んでいきました。



そしてついにリリィのドキュメンタリー番組が配信開始される日となりました。


リリィ「・・・・・・・・・」



リリィの番組の評判は上々。

リリィの赤裸々な大学生活と夢を追いかけるためにひたむきに学業や歌に取り組む姿に、多くのシムが共感。そして当初の狙い通り、アンチが目立っていたこともありリリィの評価はうなぎのぼりに上がっていきました。




デビュー曲の売り上げやダウンロード数も伸ばし、リリィは注目の新人歌手としてさらにメディアに引っ張りだことなりました。




それから半年

数日後、リリィの初コンサートがスラニ島のビーチで開催されます。



リリィ「・・・・・・・・・」



リリィ「(ここって…)」



リリィ「(…パカアの家があった場所。ううん、家じゃないか。あの子が勝手に住んでただけだから。)」




リリィ「(…そっか。ここの難破船、撤去されて公園になってたのね。)」


リリィ「(…パカアはどこに行ったんだろう。どこか別の家に移り住んだのかな。それとも海に帰ったとか…)」



リリィ「(・・・・・・・・・)」





そして数日後
リリィの初コンサートが開催され、多くのシムがリリィの歌を聴きに来場しました。


コンサートは大成功



















コンサートは終わりましたが、リリィはひとり会場に残っていました


リリィ「・・・・・・・・・」

リリィ「(…ここにいつまでもいても仕方ないのは分かってるけど。)」



リリィ「(パカア、私の番組見てくれたかな。…ううん、もう忘れてるよね、きっと。こんなに引きずってるの私だけよ。)」




リリィ「・・・・・・・・・」




リリィ「・・・(もう帰ろう)」



パカア「…リリィ」










パカア「ひさしぶり」



リリィ「…ひさしぶり」




リリィ「・・・・・・・・・」
パカア「・・・・・・・・・」





リリィ「あのね」
パカア「あのさ」



リリィ「パ、パカアからどうぞ」
パカア「いいよ、リリィから話して」



リリィ「・・・・・・・・・」
パカア「・・・・・・・・・」



パカア「…リリィの歌、聴いてたんだ。」



パカア「さっき歌ってたよね。すぐにわかったよ、リリィだって。」



リリィ「…うそ。観客の中にいなかったわよ。」
パカア「うそじゃないよ。海の中から聴いてたんだ。」



パカア「…というか、もしかして僕のこと観客の中から探してくれたの?」
リリィ「…!そ、そんなわけないでしょ!」



パカア「ふふ、変わらないね、リリィは」
リリィ「…なによ。変わったわよ。あなたが知らないだけ。」



パカア「…うん、そうだよね。リリィはきっと変わったんだ。」



 
リリィ「・・・・・・・・・」



パカア「僕は何も変わらないよ。」





リリィ「…私は変わったわ。」


リリィ「今までずっと自分の力だけで道を切り開いてきたと思ってた。だから周りのスタッフにも感謝することなんてなかったし、下に見ていたの。表面上は取り繕っていたけど、心の中ではいつも馬鹿にしてた。」



リリィ「…でも、最近は違うのよ。私ひとりじゃ何も出来ないって思った。周りのシムの助けや支えがあったから、ここまで来れたんだって。心からそう思うようになったの。」



リリィ「…もう、言うね。かっこつけたりツンツンするのは今やめる。」



リリィ「これも全部、パカアのおかげなの。」


リリィ「パカアと出会って、パカアと一緒に過ごして、パカアと話して。そうしてるうちに私も少しずつ変わって来たんだと思う。」




リリィ「本当にありがとう。」

パカア「…リリィ」

リリィ「ずっと言いたかったんだ。言えてすっきりした。」




パカア「…僕もずっとリリィに言いたかったことがあるんだ。」



パカア「リリィと別れたあの日から、ずっとリリィのこと考えてた。」



パカア「どうしてるかな、元気にしてるかな、泣いてないかなって。」
リリィ「な…っ泣いてなんか…!」



パカア「…きっともう会えないんだろうなって思ってたけど、もし会えたら言おうと思ってたことがあるんだ。」


リリィ「・・・・・・・・・」



パカア「あの日からずっとリリィの歌が、僕の心の中で繰り返されてる。」



パカア「忘れられなくて、ずっとリリィの歌を心の中で繰り返してた。あの日歌ってくれたセレナーデやベランダで盗み聞きした歌も。」



パカア「それを伝えたかったんだ。リリィの歌は、永遠に胸に刻まれるよって。それくらい素敵な歌をリリィは歌えるんだよって。」



リリィ「・・・・・・・・・」



パカア「僕も言いたいこと言ったらすっきりした!今日会えてよかったなぁ」




リリィ「・・・・・・・・・」
パカア「・・・・・・・・・」




パカア「…あのさ…」
リリィ「…うん…」



パカア「まだ、一応僕たちって知り合いではあるよね?」
リリィ「…そうね。知り合いではあるんじゃない?」



パカア「リリィの番組の仕事も終わったんでしょ?」
リリィ「ええ、終わったわよ。」



パカア「・・・・・・・・・」
リリィ「・・・・・・・・・」



パカア「じゃあさ、たまには会ったりする?」


リリィ「……いいんじゃない、知り合いだったら会うことぐらい普通よね」




パカア「……。そしたらまた連絡するね。」



リリィ「…うん。……待ってる。」






それでは次回に続きます



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