【メロメロパカア#10】僕が見たいリリィの姿

2021/03/14

メロメロパカア

t f B! P L
※今回デフォシムにかなり喋らせております。苦手な方は閲覧ご注意いただけますと幸いです。※


前回、パカアくんの秘密を知ってスラニで一緒に暮らすことを決意したリリィ


二人で暮らす家の情報を探しています。



リリィ「(…スラニ島って観光地でもあるから家賃がなかなか高いわね…)」






リリィ「この間送った住宅情報、見てくれた?」
パカア「うん、見てみたよ。」
リリィ「それで?パカアはどこがいいと思った?」



パカア「どれも素敵な家だったよね!」
リリィ「そりゃそうよ。私が厳選したんだから。で、パカアはどこが気に入った?」
パカア「うーん…どれも素敵だと思ったけど…どの家も家賃が高かったよね…。僕にあんな高いお金、払えないよ。」



リリィ「そんなこと気にしてるの?家賃なら私が払うわよ。」
パカア「それはだめだよ。」
リリィ「どうして?」



パカア「僕もそこに一緒に暮らすんだから僕もきちんと払いたい。せっかくリリィが探してくれたのにごめん。もっと家賃が安い家、僕も探してみたんだ。見てくれる?」




リリィ「・・・・・・・・・(まじか…なかなか安っぽい家ね…)」



パカア「どうかな?」
リリィ「ま、まぁ…いいんじゃないかしら…パカアがそこまで言うなら。」
パカア「本当に?じゃあ今度内見の予約とるね。一緒に行こう!」


リアルなやり取りさせてしまってごめんなさい
でもこういう時ってすっごく楽しいですよね


内見に来た二人





パカア「見て!リリィ!バルコニーからすぐに海に入れるよ!」



リリィ「よかったわね。」
パカア「うん!これなら一日中いつでも海に入れる!」



リリィ「・・・・・・(ぼろっちい家だけど、パカアは嬉しそう。それならいいかな)」


パカアとの同棲生活に胸躍るリリィなのでした



ある日

リリィに事務所の社長アンナから連絡が入りました。
今すぐ事務所に来るようにとのことです。



アンナ「リリィ、よく来たわね。今日は私がお酒をおごってあげるわ。」
リリィ「(え?)ご機嫌ですね、社長。何かいいことでもあったんですか?」



アンナ「あなたに歌手デビューの話が決まったのよ!喜びなさい!」
リリィ「・・・!」

リリィ「ほ、本当ですか…!?いつ、いつ歌を出せるんですか!?」



アンナ「まぁまぁ慌てないで。ゆっくり聞きなさい。歌手デビューと言っても、これは番組の企画なのよ。」

リリィ「…番組?」



アンナ「動画配信サービスの番組の企画よ。あなたのドキュメンタリー番組を制作したいそうなの。歌手を目指すモデルのあなたが、本格的な歌手デビューを果たすため大学に入学し芸術学の学位を取るまでを追う。そして芸術学の学位を取得し、世間の誰もが文句の言えない実力を手に入れたあなたが歌手デビューを果たす、という筋書きよ」



リリィ「わ、私が主役のドキュメンタリー番組ということですか?」

アンナ「ええ、そうよ。モデルのあなたがただ歌手デビューをしても話題性に欠ける。でも、取得が困難と言われている芸術学の学位を取得するために日夜勉強し努力する姿を番組で放映すれば、あなたの元々のイメージとのギャップで注目が集まるはず、とのことよ。」




アンナ「だから、最近アンチが目立っているあなたに白羽の矢が立ったの。元々イメージが良くない方が、努力した姿を映した時に評価が上がりやすいからね。」

リリィ「……嬉しいです。本当に…是非その仕事やらせてください!」

アンナ「当たり前じゃない。あなたに断ることなんて出来ないわ。」




アンナ「ただし、条件があるの。大学寮に入寮するのよ。」
リリィ「……え?大学寮、ですか?」



アンナ「そう。あなたが芸術学を取得するまで、付きっ切りでカメラを回すことになるからね。さすがにあなたの自宅にカメラが入るのは嫌でしょう?」

リリィ「それはそうですけど…それって、番組が終わるまで一切プライベートはないってことですよね?」

アンナ「そうなるわね。」


リリィ「・・・・・・・・・」




アンナ「そうそう。もし今あなたに恋人がいるなら、別れておきなさい。」











リリィ「……え?」





アンナ「あなたが主役のドキュメンタリー番組なのよ?学位を取得し歌手デビューを果たすのが目的の番組で、色恋にうつつを抜かす姿なんて放映できるわけがないでしょう。」



アンナ「それにアンチの多いあなたが、恋人の姿でも見せてみなさい。あなただけじゃなくて、その相手にもアンチの攻撃が向かうことになるかもしれないわよ?」

リリィ「で、でも…」




アンナ「内緒で連絡を取ろうと?やめておきなさい。どこから情報が洩れるかは分からない。もし何かあったら番組側に迷惑をかけることになるわ。そうなったら、あなたの歌手デビューの話は今後一切なくなるわよ。」

リリィ「・・・・・・・・・」




数日後


リリィ「・・・・・・・・・」




パカア「リリィ!」





パカア「最近メッセージ入れても返してくれなかったし電話も出てくれないし、どうしたの?引っ越しのこととか決めないと…」



リリィ「・・・・・・・・・」



リリィ「…その靴、脱いで」

パカア「…え?」





リリィ「今すぐその靴脱いでよ!私がそんな靴、あげたりなんかしたから…」



パカア「リリィ、どうしたの。落ち着いて」








パカア「…そっか、歌手デビュー…!すごいなぁ…」
リリィ「・・・・・・・・・」



リリィ「…断ろうと思っているの。」
パカア「え?なんで?」



リリィ「…社長に恋人と別れるように言われたの。でも、そんなの私には無理。パカアと別れたくない。だったら番組も歌手デビューもどうでもいい。」

パカア「…リリィ…」




リリィ「歌手になれなくても、今の仕事は続けられるし。モデルの仕事だってやりがいがあるわ。だから…別にいいの。」
パカア「・・・・・・・・・」



パカア「…リリィ。よく聞いて。」





パカア「絶対にその仕事受けて。」





パカア「僕、リリィの歌が本当に好きなんだ。あまり歌ってくれないけど、いつまででもリリィの歌を聴いていたいって思ってる。もしリリィが歌手デビューして歌が世に出れば、リリィの歌をいつでも聴けるってことでしょ?」



リリィ「…だったら毎日歌ってあげる。パカアのためだけに歌うよ。」



パカア「……でも、僕は世の中の色んなシムにリリィの歌声が届いたらいいなって思うよ。」

リリィ「…私はもうそんな風に思わないもん。パカアだけが聴いてくれればいい。」




リリィ「…私、絶対にパカアと別れたくないの。一緒に暮らすって言ったじゃん。この間見に行った家で、二人で暮らそうよ。」

パカア「………」





パカア「・・・・・・・・・・・・」






パカア「リリィ、別れよう。」




パカア「歌手になるのはリリィの夢じゃないか。それを諦めていいの?こんなチャンス、誰にでも回ってくるものじゃないよ。」



リリィ「…やだよ…別れるなんて、言わないでよ…。私、別れたくないよ。絶対に嫌だよ…。」




パカア「…ねぇ、リリィ、ねぇ。よく聞いて。」




パカア「リリィはこんなところで留まっているようなシムじゃないよ。それは僕が一番よく知ってる。歌の才能だけじゃない。気持ちの強さも、自信家なところも、努力を続けられるところも、それにこんなチャンスが回ってくるところも。全て夢を掴むには必要なことなんだよ。それら全てを持っているシムなんてほんの一握りしかいないと思うんだ。」




パカア「リリィ、君なら絶対に自分の夢を掴むことが出来る。だから……こんなことで諦めちゃダメだよ。僕は見てみたいよ。リリィが夢を叶えて、たくさんのシム達の前で歌う姿を」





リリィ「・・・・・・・・・」




リリィ「・・・・・・・・・」













リリィ「…はい…はい。分かりました。来週から撮影が始まるんですね。承知しました。」

リリィ「……はい。それでは。」





リリィ「・・・・・・・・・」



こうして、リリィはパカアくんと別れ、歌手デビューのために仕事を引き受けることにしたのでした。


それでは次回に続きます




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