※デフォシムの過去を捏造しています。※
※デフォシムに喋らせています※
苦手な方は閲覧ご注意ください。
前回のあらすじ
防護服を完成させるために胞子フィルターの制作を未来シム研究所に依頼した恵那と宗一郎。さらにその胞子フィルター制作には「胞子塊」を分析する必要があり、それの収集には「胞子スキャナー」を手に入れなければなりませんでした。
宗一郎は「胞子スキャナー」の手配を秘密諜報組織S.I.M.Sに依頼。
するとさっそく連絡があり、StarangerVille軍の軍関係者から「胞子スキャナー」を渡してもらうことになりました。
StrangerVilleにある唯一のバーでその軍関係者と落ち合うことになっています。
宗一郎「あれ、ディランさんもいらしてたんですか?」
ディラン「あ、ああ。さっきばったり臼井さんの奥様に会ってね。」
恵那「宗一郎さん、例のシムって…」
宗一郎「ここに来るはずだ。」
軍人「…臼井か?」
宗一郎「…ええ。ではあなたが…?」
軍人「ああ、そうだ。話は聞いてる。さっそく本題といこうか。」
宗一郎「はい、お願いします。」
軍人「おっと、話を聞いてはいるが俺はおめぇを認めてはいない。何しろ今初めて会ったんだからな。俺だって危ない橋を渡ってるんだ。誠意を示せ。」
宗一郎「…誠意?金か?」
軍人「そんなんじゃねぇよ。男の誠意って言ったらあれだろ。」
軍人「おめぇの筋肉を俺に見せつけろ!」
恵那「・・・・・・」
ディラン「・・・・・・」
宗一郎「・・・・・・」
宗一郎「…は?」
宗一郎「お前、ふざけてるのか。」
軍人「ふざけてねぇよ。俺は腕っぷしがいい奴しか信用しねぇんだ。だからてめぇの筋肉、俺に見せやがれ。」
宗一郎「…いい加減にしろよ。俺をなめるんじゃない。」
軍人「お、いいのか?例のブツが欲しいんじゃなかったのか?」
宗一郎「・・・・・・・・・」
宗一郎「…分かった…」
宗一郎「うおおおおおおおおおおおおお」
恵那「ちょ、ちょっと宗一郎さん!何もこんなところで腕立てなんか!しかもなんで脱ぐんですか!」
宗一郎「筋肉を見せつけろと言われたんだ…!服なんて着てられるか!」
宗一郎「ただの会社員と思ってなめるなよ…!臼井宗一郎の意地をお前に見せてやる…!」
ディラン「宗一郎さんすごいな…!」
恵那「・・・・・・・・・」
軍人「おっめぇやるじゃねぇか!!」
宗一郎「うおおおおおおおおおお」
軍人「気に入った!例のブツやるよ!」
宗一郎「恵那!見たか!?」
恵那「見ましたよ!だから早く服着てください!」
宗一郎「見直したか?」
恵那「見直しました!だから早く服着て!」
ディラン「いやぁ、すごいものを見せてもらいました。」
恵那「すごくなんかないよ…上半身裸になって、腕立てなんて…本当に恥ずかしい。」
宗一郎「仕方ないだろ。筋肉を見せろと言われたらあれしかなかった。」
恵那「でも無事に目的も達成したし、今日はちょっと飲んでいかない?」
宗一郎「ああ、いいんじゃないか。たまには息抜きも必要だろう。」
恵那「ディラン君も付き合って。」
ディラン「もちろん。」
宗一郎「・・・・・・・・・」
数時間後
恵那「ちょっと飲みすぎちゃったね。」
ディラン「だな。こんなに酔っぱらったの久しぶりだよ。」
ディラン「宗一郎さんは大丈夫かな?」
恵那「うーん…ベンチで寝ちゃったみたいだけど。まぁいい大人だし。」
ディラン「後でちゃんと様子見に行こう。」
恵那「うん。」
ディラン「まさか恵那とお酒飲むことが出来るなんてな。」
恵那「ほんと。高校生の頃は、こんなこと考えられなかったよね。」
ディラン「恵那が意外にお酒強いってことも。」
恵那「ディラン君は思ったよりお酒弱い?」
ディラン「いや普通だろ。恵那が強いんだ。」
恵那「へへ、そうかな?」
恵那「あの頃は、カラオケとかゲーセンとか。楽しみって言ったらそんな感じだったよね。」
ディラン「カラオケか。懐かしいな。学校帰りによく一緒に行ったっけ。」
恵那「私達、全然歌上手にならなくってさ。」
ディラン「そうそう。何回も行って同じ歌うたってるはずなのに、全然成長しないんだよな。」
恵那「センスないのかも。」
ディラン「そういえば、恵那ってよく分かんないギャグいつも言ってなかった?」
恵那「え、そ、そんなこと覚えてるの!?」
ディラン「笑っていいのか笑わない方が逆に面白いのか、判断に困るヤツ。」
恵那「やめてよ…!あの時は必死だったんだから!」
恵那「ディラン君に笑ってほしくて、色々考えてたんだから。」
ディラン「知ってる。だから可愛くて仕方なかった。」
恵那「…!」
ディラン「…いろんなところ行ったな。コモレビ山のスキー場とか。」
恵那「覚えてるよ。ソリだけ滑ってすぐ帰ったの。」
ディラン「帰ったんだっけ?…その後どっかに行ったような…。」
恵那「あ、SanMyshunoのロマンスフェスティバルに行ったんだ。」
ディラン「あー!そうだそうだ。コモレビ山からSanMyshunoって…やっぱり10代は体力お化けだわ。」
恵那「…なつかしい。」
ディラン「…なつかしいな…。」
ディラン「…この町で再会した時。すごく驚いた。まさかまた会えるとは思ってなかったから。」
恵那「・・・・・・・・・」
ディラン「10年以上たって、恵那も変わったのかなって思ったけど、話してみたら高校生の時のままだ。」
恵那「…それって…成長してないってこと?」
ディラン「そういう意味じゃないよ。」
ディラン「恵那と話してると、高校生の頃に戻ったみたいで。なんだかホッとするんだ。」
恵那「・・・・・・・・・・」
ディラン「俺ってこういうやつだったよな、って。思い出すことが出来る。忘れていたことがどんどん蘇ってくる。」
ディラン「あの頃の思いとか気持ちとか色々。」
恵那「…ディラン君…」
ディラン「・・・・・・・・・」
ディラン「…ケンカしたりもしたけど、今思うとなんであんなことでケンカしたんだろうって思うよ。」
ディラン「自分が一番正しいって、心のどこかで思ってたんだ。だから恵那の考えも受け入れがたかった。子供だったんだ。」
恵那「…それは私も。ううん、私の方が子供だった。」
恵那「ディラン君が生活の中心になっていて、いつもディラン君のこと考えてて。そんなんじゃダメなのに。ディラン君のこと大好きだったから、なんでもかんでもディラン君が一番になってた。」
恵那「・・・・・・・・・」
恵那「…でも、それは今も変わらないのかも。」
ディラン「…恵那。」
恵那「…なんてね!冗談。」