凪子「(なんて話しかけたらいいか分からないなんて言ってる場合じゃない。ちゃんとモーギン先生と話していつも通り魔法のトレーニングをしてもらおう。私は先生の弟子なんだから。先生の期待に応えないと)」
魔法の国
凪子「先生!」
凪子「先生、あの・・・」
モーギン「ちょうどよかった。凪子に話があるんだ」
凪子「え?はい、なんでしょうか」
モーギン「凪子、最近ちゃんと魔法の修行に取り組んでいるかい?魔法の国に来ても、他の賢者や魔法使いと話をしてばかりいるじゃないか。何のために魔法使いになったか忘れてしまったのか?」
モーギン「大学の勉強やサークル活動が大変なのも分かる。お金を稼がないといけないのも知っている。でもそれら全部君がやろうと思って決めたことだろう。どれも疎かにしたらいけないよ」
凪子「わ、分かってますよ…!そんなこと。」
モーギン「本当かな?」
凪子「え?」
モーギン「急にウィッグを付けたり派手な化粧をしたり、露出の高い服を着て、君の関心が別に向いているように見えるけど。外見ばかり取り繕うようになって、本当に大事なことを見失っているんじゃないのか?見た目なんてそんなに大切かい?着ている服や髪型がそんなに大事なのか?」
凪子「・・・・・・!」
凪子「・・・先生、一ついいですか」
凪子「そういうの私の元の世界ではセクハラって言うんですよ!!!」
凪子「・・・すみません。失礼します」
凪子「(あー・・・もうめちゃくちゃだよ・・・)」
数日後
あんな言い合いをしてしまったので、モーギン先生は遊びに来なくなりました
凪子「竜之介」
凪子「最近の私、浮ついてるように見える?このイメチェンも良くないのかな」
竜之介「わかんないけど、その格好は自分に自信をつけるために始めたんだろ?それで迷ってるってことは、意味がなかったんじゃない?」
竜之介「正直俺は、どっちの凪子も好きだけどね」
あくる日
凪子「(先生にあんなに怒られたのはびっくりしたけど、全部先生の言うとおりだった。最近の私、勉強やサークルに気が向いてなかった。うん、ちゃんとしないと)」
凪子「(プレゼンもたまにはじっくりやってみよう)」
凪子「(スピリット・フォースの課題、フォックスベリーのモニュメントにいたずらもして、と)」
マフラー被せるいたずらだと、一から編み物するのがかわいいです
数日後
モーギン先生が久しぶりに遊びに来てくれました(わろてる)
凪子「・・・・・・」
モーギン「・・・・・・」
モーギン「この間は、ごめん」
凪子「…え?」
凪子「そんな・・・先生は一つも間違っていること言ってなかったですよ。全部痛いところを突かれていたというか…だから悪いだなんて思わないでください。むしろ私の方こそごめんなさい。最近の私、たるんでいました。」
モーギン「…でも、凪子が頑張っていることを私はよく知っていたのに。あんな言い方をしてしまって本当に申し訳ないと思っているんだ。」
凪子「…先生」
モーギン「それに、その…服装や化粧のことも…」
凪子「あ、セクハラのことですか?あれももう気にしてないです。というかセクハラだなんて言ってごめんなさい。」
モーギン「いや、そうじゃなくて…」
凪子「…?」
モーギン「…ううん、なんでもない」
凪子「じゃあ、仲直り、ですかね?」
モーギン「うん、仲直りだね」
その後は久しぶりにモーギン先生と楽しく話せるようなりました
別の日
凪子「エマ!前に相談した話のことだけど、最近また前みたいに話せるようになったよ。これもエマのおかげ。ありがとう」
エマ「よかったじゃん!」
凪子「今まではね、いつも近くにいさせてもらってたからずっと安心しきってたと思うの。バカみたいだけど、一番仲良しなのは私って勝手に思い込んでたっていうか。」
エマ「うん、うん」
凪子「でも他の子と楽しく話してるのを見てたら、誰に対してもそうなのかもな、って思って」
エマ「そうねぇ、なんとなく分かるわ。その気持ち」
凪子「わかる?わかるよねぇ。勝手に一番弟子は私って思ってた部分がきっとあったんだよね、おこがましいんだけど」
エマ「・・・?(弟子?)」
凪子「もうすぐ巨匠レベルに達するからそうなると弟子とも言えなくなっちゃうし、そしたらあの人にとって、私って一体何なんだろうって。」
エマ「・・・・・・」
凪子「そう思ったらいつも通り話せなくなっちゃって」
エマ「・・・あのさ」
凪子「ん?」
エマ「それって誰の話してるの?」
凪子「え?」
エマ「てっきり美樹さんの話かと思ってたんだけど」
凪子「なんで?」
エマ「え?」
凪子「え?」
エマ「いや、だってさ、相手にどう思われてるかが気になって前みたいに話しかけられない、って言ってたから凪子の好きな人の話してるのかと思って。最近美樹さんといい感じだから、美樹さんのことを相談してるんだと思って聞いてたんだけど」
凪子「・・・・・・」
エマ「・・・あー、ごめん。私の勘違いだったかな。これ食べたらそろそろ寝るね。」
凪子「・・・・・・」
凪子「(好きな人の話・・・なんでエマはそんな勘違い・・・)」
凪子「・・・・・・!」
凪子「・・・勘違いしてたのは私か」
翌朝
自分の気持ちを自覚した凪子は服装やお化粧、髪型を元に戻しました
凪子「はぁ・・・どうするよ、凪子さん」
凪子「もうモーギン先生と普通に話すことなんて一生出来ないよ。」
凪子「まじピンチ」
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いつも読んでいただきありがとうございます!12月31日と1月1日は別の記事を投稿しようと考えていますので、「魔法使い0円生活」の続きは1月2日に投稿出来たらなと思っています。
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